胃癌におけるピロリ菌と食塩

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胃癌におけるピロリ菌と食塩

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1983年にヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)が発見されて以来、慢性胃炎、胃潰瘍、胃癌、悪性リンパ腫の発生の重要な要因であることが明らかにされてきた。

1994年には、WHO/IARCはピロリ菌を胃癌の原因として定義している。

最近の研究では、ピロリ菌は、それ自体では発癌性はなく、引き起こされた炎症が発癌を促進する因子で、食塩がさらにその炎症を増強する補助因子であると結論されている。

ピロリ菌感染による胃癌の発癌率は1%程度。

ピロリ菌感染率の高い東南アジアでは、日本より胃癌の発生は少ない。

遺伝的要因、食事、環境の影響など考えられているが、食塩摂取量もその要因の1つと考えられている。

ハワイ在住の日系人で、1世より2世に胃癌発生率が低下している。

食生活の変化、とくに食塩摂取量の減少が原因である可能性が指摘されている。

日本国内でも、地域別の尿中食塩排泄量と胃癌のリスクとの相関が報告されている。

ラットによる動物実験

食塩のみで胃癌を発生する発癌作用はないが、胃癌を促進する作用はあり、その作用は用量依存性である。

つまり、食塩を多く摂るほど、胃癌が促進される作用は強くなる。

スナネズミによる動物実験

食塩はピロリ菌と協調的に胃癌を発生するが、胃癌を促進する作用はピロリ菌の方が食塩より非常に強力。

ピロリ菌が感染している胃では、食塩は用量依存性に胃癌を促進し、一過性の高濃度食塩摂取より、持続的な食塩摂取の方がより胃癌を促進する。

ピロリ菌感染のない胃では、食塩増加による発癌率の上昇はなかった。

つまり、食塩単独での胃癌促進作用は弱いが、ピロリ菌感染下では、濃度依存性に発癌を促進する。

ピロリ菌がいると、食塩は胃癌を促進するということ。

しかもそれは、食塩の量が多いほど強いということ。

ピロリ菌の感染は胃炎、胃癌と密接な関係がある。

ピロリ菌感染者の胃癌のリスクを低下させるには、可能な限りの減塩が有効。

除菌の有効性は言うまでもないが、日頃より過剰な食塩をひかえ、ビタミンACEなど抗酸化物質に富む緑黄野菜の摂取を心がけることが大切。

もちろん青汁も効果があり、緑黄野菜に青汁を加えると更に効果は大きい。